初心者による初心者のための年賀状

年賀状の思い出やあり方について色々…

年末になると日本郵政の社員は大変なのです

知り合いが日本郵政で働いています。
彼は年末になるとげっそりと疲れた声で電話をかけて来ます。

郵便関係ですから年末が繁忙期なのは当たり前ですが、
彼が病人の様になってしまうのは忙しいからではありません。

彼は電話口で言います。
「悪いけど今年もまた年賀状頼める?」そう、
例の悪名高い社員に対する年賀状のノルマ販売なのです。

どれぐらいの枚数が割り当てられるのか尋ねた事はありませんが、
絶対を何回か繰り返すぐらい無理な枚数のノルマだと
漏らしていた事がありました。

良く噂される如く、社員の中には自腹を切って
割り当て枚数の大部分を消化している人もいるそうです。
この時期が来る度に、もう会社を辞めようと思うと彼は言っています。

ちょっと調べてみると、年賀状の販売枚数は2003年をピークに
以後ずっと下降し続けています。

これだけパソコンやスマートフォンが普及して
通信の主体が電子メールに移った今、それは当然の結果なのでしょう。
ただでさえ人の手紙離れが進行していて、
その相乗効果で加速度的に手紙や葉書を書く人が少なくなるのは
無理からぬ事だと思います。

言わば年賀状の販売枚数減少は構造不況で、
大局的に見ていくら努力しても如何ともし難い事に思えるのです。

そんな状況下、社員にはっぱを掛けて販売を行うというのは
賢明なやり方とは思えないのです。
はっきり言わせて貰えば、無駄な努力なのではないでしょうか。

ちょっと大袈裟ですが、国力に大差のあった米国と、
大和魂の精神論で戦争に突入した大日本帝国軍部を思ってしまいます。
ジリ貧の分野に社員の精力を投入するのは、
経営効率的に非常な無駄ではないのでしょうか。

営業の実力の無い会社が営業実績を上げる為、
社内販売で社員に購入を半ば強制しているの思わせます。
こういう販売を行う会社の経営陣は、
自分達の能力の無さを満天下に叫んでいるのと同じです。

今年も彼は電話をかけて来ることでしょう。

少なくて申し訳なく思いながら、毎年私は彼に必要分を頼みます。
そして、その度に日本郵政に対して同様の怒りを覚えるのです。