小さい頃の記憶を今に蘇らせてくれる年賀状
30歳を過ぎた今も、まだ昔もらった年賀状を捨てずに取っている。
物心ついて初めて年賀状をやり取りしたのは小学校3年生の時。
まだ切手が48円だった時代の話だ。
小さい頃は転勤族だったが、
3年間を過ごしたその場所はみんなが仲良くしてくれて、とても楽しい3年間だった。
その時の同級生たちとやり取りしていた数少ない記録が年賀状だ。
そんな年中行事だった年賀状も、転勤をまた繰り返し、
また携帯電話でのメールが中心になってくると、
わざわざ年賀状を出さずに済むこともあり、一年に数枚程度、
しかも送ってくれた人に返すだけという期間が続いた。
社会人になりたてくらいの時は、
ただただ年賀状は「手間がかかって煩わしいもの」という感じだった。
今はどうかというと、自分は毎年年賀状を書いている。
小学校の時と同じくらいの枚数で。
年に一度、このような機会でないとやり取りをしない人もいるし、
なんとなくメールよりも年賀状が良い人もいる。
紙に言葉を認めて送るという「煩わしさ」が、今はとても心地よい。
そうして受け取った年賀状の数々は、今も一枚も欠かすことなくしまってある。
その年の年賀状を整理するときに開くくらいなのだが、
その度に、懐かしいおもちゃ箱を開くような気分になれるのだ。